ビリヤードをやっていると耳にすることがある「球筋(たますじ)」という言葉・・・。
これはいったい何を意味しているんでしょうか?
習い事なんかでよく「筋が良い」なんて言葉を耳にすることがあります。
センスが良いとか飲み込みが早いといった意味なんでしょうけれど、同じようなニュアンスを含んでいるんでしょうか?
あ、剣術なんかでも「太刀筋(たちすじ)」なんて言葉がありますけど、こちらの方が「球筋」に近いのかも・・・?
読者の方から質問を頂いて、おいらもなんだか気になっちゃいました!
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球筋とは?見れば実力が分かるって・・・?
今日は、なぢさんから頂いたご質問からご紹介しますよ♪
どこかで、球筋を見れば実力が分かると読みました。
いい球筋とはどのようなものでしょうか?
また、どうやったら球筋は良くなるのでしょうか?
また眠れなくなる前に解決できると助かります。
今回もまた絶妙なところを撞いて、いや突いてこられました。
眠れないのは大変なので、なんとかお答えしなくては!
「球筋」と聞いて単純に解釈すると、「球のコース」といった意味になるんでしょう。
その場合には、主に手球が走る(手球を走らせる)コースという意味合いが強いんでしょう。
でも、そこにはもう少し深い意味が込められていると思うんです。
おそらく「球筋」とは、単に球が走るコースのことを言うのではなく、そのプレイヤーが意図して操る球(特に手球)の動き全般・・・
つまり、「球の質、特徴」のことを言うんじゃないかと考えます。
球の取り方にルールはないわけで、人それぞれ色々な撞き方をするものですよね。
例えば、おいらはヒネリやクッションを多用して、手球の動きが曲線的な取り方をする傾向があります。
それに対して、ヒネリに頼らずキュー出しやパワーで直線的な取り方をする人もいます。
同じネクストにポジショニングするにしても、きっと手球を走らせるコースも違えば、撞点の選び方も違うことでしょう。
いや、ネクストの考え方からして異なるはずです。
こうした諸々が、そのプレイヤーの球の質となって表れるわけで、人それぞれのこんな特徴を「球筋」と表現することもあるんだろうと思うんです。
おいらが新宿スポーツランドに通い詰めていた頃、大分県の代表選手として活躍するOさんという人と知り合いました。
Oさんは、顔も知らずに噂だけを聞いて後藤章二師を訪ねて来たんですが、後にこんなことを言っていました。
「撞点を見たら、すぐにこの人が後藤さんだって分かった」
彼いわく、撞点を見ればその人の実力がだいたい想像できるって言うんです。
おそらくOさんは、「後藤さんの球ってこんな球」くらいの噂は聞いていたと思われます。撞き方とか手球の動き方とか・・・。
それで後藤師の球を目の当たりにして、「なるほど、この人が後藤さんだ」と納得したんじゃないでしょうか。
つまり、天才的に撞点を使い分けて手球を操る後藤師の特徴的な「球筋」が、Oさんの見立てに敵ったというわけです。
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良い球筋とは?身につける方法やポイントは?
上手いと言われるプレイヤーの球は、その意図することが見ていて分かりやすいものです。
先ほど、球の取り方にルールはないと述べましたが、ビリヤードなんて所詮は限られたスペースで限られたボールを相手にする競技・・・
眺めていれば、
「(撞点は)ここを撞いて、ここからこうしてポジショニングするんだろうな」
くらいの想像はできるし、上級者の考え方はだいたい共通しています。
多くの人の想像とは違う“妙な”ポジショニングをすれば、
「あれれ?」
「なぜそこへ出すかなぁ~?」
ってなことになるはずです。
つまり、ポジショニングのために手球を走らせるコースを「球筋」と言い表すとすれば、そのコースの選択、つまりネクストの考え方が「球筋」の良し悪しを決める要素の1つだと言えそうです。
「球の入る入らないより、球筋を見れば本来の実力が分かる」
なんて言うのも、この辺りに理由があるんじゃないかと思います。
また、キュー切れや卓越したテクニックを使って、想像を超えつつも誰の目にも理に適った手球のコントロールを見せれば「すげぇ~!」ということになるし、それもまたそのプレイヤー独特の「球筋」だと言えるでしょう。
でもここでは、共通認識としての「良い球筋」とはどんなものかを、まとめておきたいと思います。
手球を走らせるコースの選択
① ネクストゾーンをテーブル上のどの位置にするか?
② 手球にどのコースを走らせてその位置へポジショニングするか?
この2つの選択、考え方が理に適っていること。
ビリヤードは “可能性” の競技なので、いかにリスクの少ないポジショニングができるか? ってことも「球筋」に大きく関わってきます。
リスクが少ないポジショニングとは、
- もしミスってもリカバリーしやすいポジション
- ネクストゾーンを横切らず、ラインに沿った出し方
- スクラッチの危険性を最小限に抑えるコース選択
といった、取り切れる可能性がより高い考え方に基づいたポジショニングのことです。
それぞれ例を挙げてみましょう。
上図では、3番ボールから4番ボールへの出しを表していますが、AよりもBの方が狙えるポケットも多くてリカバリーしやすいですよね。
上図では、7番ボールから8番ボールへ出すコースを表しています。
白線のようにバタバタでポジショニングするより、赤線のように真右の撞点で切り返す方が、ネクストラインに沿ったコースを走り、尚かつ楽にポジショニングできます。
見た目もちょっと美しいです。
上図では、白線のように順ヒネリのドローで弱ぁ~く撞いても画面下のサイドポケットにスクラッチするケースが多いです。
なので、思い切って赤線のように大きく出せば、ショットも安定するしネクストゾーンに沿ったラインを手球が走ります。
この場合だと撞点は中心か、半タップ下くらいで良いんじゃないでしょうか。
意図した手球の動きを具現化する能力(テクニック)
想定したコース上を手球が走るように、
- 厚みと撞点の兼ね合い
- ヒネリの要否
- 入れるべきクッション位置
- キュー出し
- 力加減
といった要件の判断や使い分けが的確にできること。
「ほかのボールに当たっちゃったぁ~」
「行き過ぎてバンクショットが残っちゃったぁ~」
「加減を間違ってスクラッチしちゃったぁ~」
なんてことになると、球筋云々以前の話になっちゃいますね。
全体の組み立てとリカバリー
テーブル上のボールを取り切るための全体的な組み立ても「球筋」に関わってくると思います。
ただ、100%予定どおりに取り切るなんてまずできないので、その都度のリカバリーショットも関わってくるんじゃないでしょうか。
上手くリカバリーするためには、アイデアやテクニックの引き出しが多い方が有利だし、そうした経験値も「球の質」を構成する要素になると思います。
というわけで、以上の3つが、いわゆる「良い球筋」の要件になるんじゃないかな?って思います。
それにしても、思いの外ややこしい話になっちゃいました。難しく考えすぎたかも・・・。
途中、自分でも「ちょっと何言ってんのか分かんない」状態ですわ。
なので、皆様のご意見を頂戴できれば幸いです♪
「球筋(球の質)」=「プレイヤーの個性」
みたいな考え方もアリだと思ってるんですけどね。
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