ナインボールをベースに、ローテーションのルールを採用した日本独自のゲーム「5-9(ごーきゅー、ごっく)」。
海外からは「ジャパンナイン」なんて呼ばれることもあるそうですね。
おいらが夢中になっていた当時、東京渋谷のメッカ「キュー」の華台では、毎晩のようにプロや名のあるアマが集まって、ヤバい勝負をしていたものであります。
師匠の後藤章二氏や、当時からトッププロだった奥村健氏、さらにあの人やこの人が・・・って、そんな昔話は置いといて♪
「5-9」って、1対1の“サシ”でやるより、3人以上の大勢撞きというパターンが多いと思うんですが、初めての人にはちょっとハードルが高めでしょうか・・・。
ルールを教わりながらの実戦ってのは、お互いにわずらわしいもの・・・。
なのでこの際ですから、あらかじめ机上で覚えてしまって、いざ仲間に入れてもらった場合にも恥ずかしくないレベルまで、ルールや専門(?)用語を把握しちゃいましょう♪
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『5-9』のルール&用語を覚えよう!
まず、このゲームの呼び方ですけど、私の東京時代には「ごーきゅー」と呼ぶのが一般的でした。
でも、ま、自分が球を撞く地域の呼び方で、「ごっく」でも「ごーきゅー」でもイイんじゃないでしょうかね♪
■使用するボール
ナインボール同様、手球および、1番~9番までの的球。
■ラック・・・ボールの並べ方
通常のナインボールと同じ形態だが、ボールの配置には最低限のルールがあるため注意が必要。
フットスポットには1番ボール、真ん中には9番ボール、ここまではナインボールのルールどおり。
しかし、5番ボールも“点球”とされていることから、ブレイクショットで容易に入る位置には置かないのが常識。
その場、時々で共有されているルールは異なるが、一般的には、2列目の左右どちらか、あるいは4列目の左右どちらかとされる。
ゲームを始める際、事前にメンバーと確認することが必要と思われる。
「5番は、9番の上と下、どっちにするの?」
みたいな・・・。
■最初のブレイクショット
じゃんけん等で、ゲーム開始の最初のブレイクショットの権利を得たプレイヤーは、ツーポイント内(以降、『キッチン』と言う)の任意の場所からブレイクショットができる。
しかし、2マス目からのブレイクショットについては、個々のルールによる(後述)。
■基本ルール
特定のゲームポイントを先取するゲームではない。
通常は、10マス(とます・・・10ラック)、あるいは5マスを区切りとしてゲームを進める。
通常のナインボール同様に、テーブル上の最小番号のボール(以降、『第一的球』と言う)から手球をヒットさせる。
得点となるボールは、5番ボールと9番ボールのみ。
コーナーポケットは1点、
サイドポケットは2点。
ただし、「9番ダブル」というルールが設定される場合には、9番ボールをポケットした際の得点は倍になる。
コーナーポケットは2点、
サイドポケットは4点。
これについては必ず、事前にメンバーと確認しておきたい。
「9番、ダブル?」
みたいな・・・。
さらに、ブレイクランアウト(マスワリ)を達成した場合には、得点が倍になる。
※ いわゆる「裏マス」には採用しないのが一般的。
5番ボール、9番ボールは、本来の順番が来る前にポケットされた場合は、その都度フットスポットへ上げ戻す。
コンビネーションショット、キャノンショットなどを使って、可能な限り “からめて” 得点することが可能だということ。
※ 合法的であれば、フロック(まぐれ)でポケットされても得点となってプレイ続行。
■ファウルとその対応・・・ローテーションルールの採用
ファウルとなる条件は通常のポケットゲームと同様。
ただし、「手球フリー(フリーボール)」にはならないので注意!
テーブル上の状況(手球、第一的球の配置)などによって、対応が異なる。
ファウルをしたプレイヤーの次の順番のプレイヤーは、状況によって次の選択肢を得られる。
① 手球スクラッチまたは場外飛び出しの場合
以下のいずれか、または両方を選択できる。
・手球をキッチンの任意の場所へ移動する。
※ 「手球(もらいます)」みたいにコールする。
・第一的球をセンタースポットかフットスポットへ移動する。
※ 「センターください」「フットください」みたいにコールする。
※ 手球と的球センターの両方を選択する場合は「手球もらってセンターください」、あるいは略して「手セン(てせん)で」みたいにコールする。
② キッチン内に第一的球がある場合
以下のいずれかを選択できる。
・現状でプレイ続行。
・第一的球をセンタースポットかフットスポットへ移動する。
・手球をキッチンの任意の場所へ移し、第一的球をセンタースポットかフットスポットへ移動する。
※ 手球を選ぶと必然的に第一的球はキッチン外(センタースポットかフットスポット)へ移動することになる。
③ 手球だけがキッチンにある場合
以下のいずれかを選択できる。
・現状でプレイ続行。
・手球をキッチンの任意の場所へ移動する。
・第一的球をセンタースポットかフットスポットへ移動する。
④ 手球も第一的球もキッチンの外にある場合
以下のいずれかを選択できる。
・現状でプレイ続行。
・手球をキッチンの任意の場所へ移動する。
・第一的球をセンタースポットかフットスポットへ移動する。
⑤ 的球が場外に飛び出した場合
・第一的球の場合
センタースポット、フットスポットのいずれかに上げ戻し、手球は現状、あるいはキッチンの任意の場所へ移動する。
・その他の的球の場合
的球をフットスポットに上げ戻し、
『① 手球スクラッチまたは場外飛び出しの場合』
と同様の選択肢となる。
■ファウルの後に手球を移動できる範囲
手球を選んで移動する場合、置ける場所はキッチンだけ。
■第一的球を移動できる場所
第一的球の移動を選んだ場合、置ける場所はセンタースポットかフットスポットだけ。
※ ほかの的球が邪魔となって置けない場合は、その後ろのセンターライン上にフローズン状態で置く。
■オプションルール
以下のようなルールを採用している場合もあるので、ゲーム開始前に確認しておきたい。
・ツー出し
9番ボールをポケットする際には、手球をキッチンに残るようにコントロールしなければならない、というルール。
① キッチンから出てしまった場合は、ブレイク権が次のプレイヤーに移る。
② マスワリも成立しない。
③ 「9番ダブル」が採用されている場合には、シングル扱いとなる。
④ 所によっては、得点が認められずに9番ボールをフットスポットに戻し、次のプレイヤーが現状からショットする権利を得るとするルールもある。
・ツー出し&現状ブレイク
「ツー出し」ルールだけなら、キッチンに手球を残せば、次のラック(マス)のブレイクの際には任意の位置に移動できる。
でも、さらに「現状ブレイク」のルールが加えられていると、手球はキッチンに残したその位置からブレイクショットに臨まなければならないのだ!
土手際に残しちゃったりすると、けっこうしんどい・・・。
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■5-9用語の解説
手セン(てせん)
手球をもらって(さらに)第一的球をセンターへ移動すること。
「てせんで♪」
みたいにコールする。
手球だけを希望する場合は
「手球ください(もらいます)」、
第一的球のセンターへの移動だけを希望する場合は
「センターください」、
フットだけの場合は
「フットください」、
といった感じでコールします。
※ 手球をもらってフットの場合は、
「手球もらって、フット(ください)」
と言っていました。
現状・現場(げんじょう・げんば)
そのままの位置からプレイを続行すること。
「げんじょうで」、「ステイで」みたいにコールする。
9番ダブル(きゅーばんだぶる)
9番ボールの得点を倍にするルールのこと。
コーナーポケットは2点に、サイドポケットは4点になる。
ただし、「ツー出し」ルールが採用されている場合、取り切りとなる9番ボールについては、手球をキッチンに残せないとシングル扱いとなる。
ツー出し(つーだし)
取り切りとなる9番ボール(そのマス最後の9番ボール)をポケットした後は、手球をキッチンに残さなければいけないというルール。
できない場合、ブレイク権は次のプレイヤーに移ってしまう。
また、「9番ダブル」のルール下では、最後の9番ボールの得点についてのみシングル扱いになってしまう。
※ 「9番シングル」のルールでも、サイドポケットに入れた場合には1点の扱いにされるというルールもある。
さらに、マスワリも不成立とされ、得点2倍の恩恵にはあやかれない。
乗せる・乗っける(のせる・のっける)
本来の順番が来る前の点球(5番、9番)を、コンビ、キャノン等のショットで狙うこと。
「絡める(からめる)」とも。
蹴上げ・蹴上げる(けあげ・けあげる)
手球やほかの的球を使って、点球(5番、9番)を、サイドポケットにシュート可能な位置へ移動させること。
とくに「9番ダブル」のルール下で、コーナーポケットしか狙えない位置にある9番を蹴上げることは頻繁に行われる。
■諸注意
・自分の出番(順番)を間違えるとモメる原因になるので要注意。
※ 夜中まで続けて皆が疲れてくると、誰も気づかなかったりする!(笑)
そのまま進行しちゃうと、後で大変だよぉ~^^;
事前に、最初に間違った人のペナルティーを考えておくとイイかも・・・。
「俺は誰さんの次、俺は誰さんの次!」
って、順番が替わるたびに頭にインプットすることを心がけよう♪
・大勢撞きの場合は、基本的にどんな球でもシュートを狙うことになる。
セーフティーを使って、一人勝ちしているヤツをあえて潰しにかかるってのも、アリっちゃあアリなんだけど、感じのよろしいものじゃないよね・・・。
・巡りが悪くても腹を立てない。
麻雀なんかと一緒で運気が左右するのか、前のプレイヤーの残し(後球)が毎回やたらとシブい(難しい)ことがよくあります。
そのプレイヤーもわざとやっているわけじゃないと思うので、腹を立てずにジッと我慢しましょう。
順番が変われば運も変わるだろうから♪
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『5-9』の点数計算とゲームの進め方
さあ、ルールや用語を使いこなせるようになったら、いよいよゲームのスタートです♪
その流れをザッと説明して、点数計算について触れたら、この記事を終わりにしたいと思いますよ。
① ジャンケンなどで順番を決める。トップのプレイヤーがブレイク権を得る。
② ブレイクショット後、何かしら的球が入ればプレイを続行できる。
③ 何も入らない、あるいはファウルの場合は2番手のプレイヤーに交代。
④ 5-9は、10マス、または5マスを一括りとして、順番を替えながら進行する。
※ 3人撞きだったら逆回り、4人以上だったらブレイク権者以外がジャンケンして順替えするなど。
⑤ 黒板やホワイトボード等に得点表をつけながらプレイする(後述)。
※ 記入する担当はとくに決められていないと思うので、順番待ちのプレイヤーの誰かが率先して記入するべき。
その他、うんたらかんたら・・・・・・。
「5-9」について、ざっくり言ってみれば、ローテーションのナインボール版。
ただし、得点になるのは5番ボールと9番ボールだけ。
コーナーポケットに入れれば1点、サイドポケットに入れれば2点・・・。
「9番ダブル」のルールを採用していれば、9番ボールだけはそれぞれ得点が倍になります。
すなわち、コーナーポケットなら2点、サイドポケットなら4点ってことですね。
これらの得点を、参加した自分以外の人数分ゲットできます。
3人撞きなら他の2人から、4人撞きなら他の3人から、得点がそれぞれのメンバーから加算されることになります。
例)
ひとマスで、自分だけが点球(5番&9番ボール)をポケットした、その得点は3点だった・・・
これが3人撞きであったなら、他の2人から3点ずつ、計6点をゲットすることになるわけです。
5人撞きだったなら、自分以外の4人分なので12点のゲットですね♪
早い話が人数が増えるほどに、点球の価値は上がり、点数の動きも大きくなるのです。
さらに、マスワリ(ブレイクランアウト)を達成したなら、そのマス内の得点が倍になります。
たとえば、
・5番ボールをコーナー
・9番ボールをサイド
というマスワリであれば・・・、
通常なら3点、「9番ダブル」のルールなら5点のところ、
前者なら6点、後者なら10点になるんですよ♪
この点数を、他のプレイヤーそれぞれからゲットできるんです。
この例で言うと、3人撞きだったら他の2人から同じ点数をゲットできるので、前者の場合は12点、後者の場合は20点が得られるということなのです。
つまり、前のマスで9番をポケットすることに成功して、次のマスのブレイク権を得たプレイヤーは、マスワリを出すチャンスが巡って来たってこと・・・♪
めっちゃ気合が入るわけであります!
負けが込んでいても逆転の可能性が出て来るしね。
『5-9』の得点表の書き方
さて、5-9をプレイする際の得点表の書き方についてなんですが・・・
おいらの東京時代と、先日体験した静岡でのゲームの進行や得点表の書き方に違いがあることがわかりました。
おいらの東京時代ヴァージョン
・10マスで逆順、あるいは順替え
・得点表は「横書き」で、毎マス加算式で記入する
上図の例のように、前のマスの得点に当マスの得点&減点を加えていく方法です。
先日体験した静岡ヴァージョン
・5マスで逆順、あるいは順替え
・得点表は「縦書き」
1マス目~3マス目までは、そのマス内での得点だけを記入します。
4マス目でいったん合計を出し、5マス目で総合計を記入するという方法でした。
共通の認識として挙げられるは、得点の書き方であります。
簡単に説明すると次のような感じです。
数字
プラス点・・・○で囲む
マイナス点・・そのまんま
得点マーク
「|」・・・1点
「×」・・・2点
「△」・・・プラスマイナス0点
○で囲んだ得点マークはマスワリを意味し、得点は倍として計算
個人的な感想としては、静岡ヴァージョンの方が計算しやすいし、5マスで順番が替わるのも素早くリフレッシュできてプレイしやすかったですね。
ま、得点表の書き方については、お店や仲間ごとに違いがあるでしょうから、まずは観察してみるとイイんじゃないでしょうか・・・。
さて、いかがだったでしょうか・・・?
以上、
「5-9? やったことあるよ♪」的な体で、すぐに一緒に遊べる♪
ってなところを目指して書いてみましたぁ~!
「いちばん負けた奴が全員にジュースをおごる!」
くらいの罰ゲームで健全にやろうね♪
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