後藤章二師の思い出

後藤章二師のことを思い出すままに書いてみようと思う Vol.7


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新宿三越って、知っている人も多いと思う。

 

実はそこの社員さんが二人、スポランの常連さんだったんだよ。

 

いつも二人で来て2時間程度遊んでいくんだけど、後藤さんは例の調子で、

「いらっしゃい!!今日は早いね」

なんて感じで歓迎していた。

 

おいら達、ほかの常連とは挨拶程度で、一緒に遊ぶなんてことはなかったけどね・・・。

 

 

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で、ある日のこと、その二人が後藤さんに、ある企画を持ちかけるんだよ。

 

それが、新宿三越でビリヤードのエキシビジョンをやらないかって話だった。

 

最初は恥ずかしがって断っていた後藤さんだけど、最終的には了承したんだね。

 

ギャラが幾らだったのかは知らないけどさ。

 

たぶん、1990年か1991年頃の話・・・。

 

開催当日、おいら達常連仲間は冷やかしに行ったわけ。

 

そしたら、紺色のベストに蝶ネクタイ姿の後藤さんが、新宿三越デパートの1階の特設フロアで、ビリヤードテーブルの前に鎮座ましましてたよ。

 

ビリヤードの名人に挑戦できるってな催しだったと思う。

 

当然ながら、おいら達は次々に挑んでいった。

 

ゲームはナインボールで、ブレイク権は挑戦者にあった。

 

で、挑んだ常連のほとんどが、1回きりの出番だけで玉砕。

 

あとは後藤さんの独壇場。

 

買い物がてら通りすがるオバさんらが、

「まぁ、すごい!」

とか言って立ち止まり、けっこうな人だかりだった。

 

そんな中で、悠々と球を取り切っていく後藤さんの姿は、傘下にいるおいらにとっても誇らしかったのを覚えているよ。

 

 

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唯一善戦したのは長州小力の弟で、彼が撞く姿を見ながら後藤さんは、

「この人は、けっこうやりますね」

なんて、わざとらしいリップサービスをしていたっけ(笑)

 

このイベントの前だったか、後だったか、後藤さんが常連用のベストを作ろうって言い出した。

 

それを三越の常連さん二人に発注して作ったんだよ。

 

紺色の毛糸のベストで、

胸にはナインボールのワッペン、

背中にはネームが縫い付けられていた。

 

希望者だけが注文して買ったんだけど、正直言ってカッコ悪かった(笑)

 

 

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おそろいベストのスポラン常連集合写真 (ビリヤードマガジン)
後藤さんは最前列右から3番目
あ、丸印がおいらです(汗)

 

 

でも今思えば、ポロシャツに毛糸のベストって、後藤さんの定番スタイルで、見慣れたファッションだったんだよね。

 

おいら、スポランに置きっぱなしにしていたもんだから、閉店の際に捨てられちゃったんじゃないかな。

 

思い出って、けっこう簡単に無くせますわぁ(哀)

つづく

 

 

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